鈴木丑三 全国のわさび栽培のリーダー的存在、
静岡県伊豆市湯ヶ島でわさびの生産と加工品製造・販売業を営んでいる鈴木丑三(うしぞう)さん
鈴木さんの
わさび田は、岩が露出する急勾配の山肌を下った谷あいにあった。
けもの道が横切る急峻な斜面を、
作業用モノレールに乗って下って行くと、
絶えず水が流れるわさび田。
水は身を切るような冷たさで
鈴木さんが造成した
最も条件の良いわさび田だ。
鈴木さんは新潟県津南町の大規模農家の4男。
農業を継ぐのがいやで、旧制中学を卒業するとすぐに東京に上京。
知人から「経営主が病に倒れて困っている農家がある。行って、わさびとしいたけの栽培を手伝ってもらえないか」と相談を受ける。
援農したことが、
以降60年にわたって、わさび栽培を極めていくきっかけとなる。
経営を任された鈴木さん
必死にわさび栽培に取り組んでいた昭和33年、
狩野川(かのがわ)が台風で氾濫し、地域のわさび田が全壊。
失意のなか復旧作業に携わり、
伊豆地方に伝わる畳石(たたみいし)式わさび田の造成技術を身につけた
わさびはこの地で400年もの間栽培されてきた特産品で
伝統を守りたいという思いだった、
地域の産業は地域の文化です
畳石式わさび田は、
湧水が湧いている地点から下流へ向けて、
段々畑のように石を積み上げて造成する棚田式のわさび田。
田畑と違う点
一段目のわさび田で栽培に使った水と新鮮な水をいったん地下に戻して、
再び2段目以降のわさび田に灌がいするという構造になっている。
一カ所の湧水で何枚ものわさび田をまかなうことができ、
絶えず水が入れ替わるため、
良質なわさびを栽培するには最適な環境
この地下構造を作ることは大変な苦労で
熟練した高い造成技術が必要となる、
鈴木さんは畳石式わさび田造成において、卓越した技術と経験をもつ第一人者
全国から技術指導の要請が後を絶たない
わさびは1年を通して植え付け・収穫ができるため、安定的に収穫できれば、農家の収益も安定する。
しかし、わさびは絶えず水を必要とする特殊な環境で栽培されるため、ほかの農作物に比べ病害虫の防除が難しい
鈴木さんは研究機関と共同で、
病害虫に強い苗や生産技術の開発を進め、
優良苗の安定栽培技術を確立
平成元年、わさびの苗床のハウスとして
県内最大規模のハウスを自ら設計建設
周辺の水辺の環境に負荷のかからない農薬散布の方法
その安全使用体制などを整え、
通年、質の高いわさびの安定供給に貢献
どんな作物にしても愛情をかけて育て、できたものには感謝する。努力して頑張れば何とかなるものです
鈴木の目がキラキラと輝いていた
山葵の奥深い一躍を担う方
グリーンエムアンドジャパン株式会社。
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